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40mの巨岩の上に座る空海が見た太平洋
〜空海と室戸岬の関わりとお遍路への理解を深める「空海遍路文化会館」〜
四国高知の南東端、三方に太平洋を一望する室戸岬から、国道沿いを西に10㎞のところに「空海遍路文化会館」があります。
この場所には何千万年も前に海底に積もった砂が、砂岩となり盛り上がってきた40mもの「不動岩」があり、岩に登って海を見下ろすと、いたるところに世界的に希少な地質遺産があることでユネスコ世界ジオパークに認定された室戸市ならではの風景が広がります。
「不動岩」には海の安全を守る「波切不動」がまつられており、真言宗の開祖、弘法大師空海が太平洋に向かって座り修行をしたという「御座石」もあります。
そんな空海のゆかりの場所で、「空海遍路文化会館」は空海の聖地・室戸岬の歴史的・宗教的意義を将来に伝え、またお遍路さんに荷物を下ろし骨休めする休息の場として活用してもらうことを目的として設立されました。
この会館は、金剛頂寺の住職が2016年に建立したもので、木造2階建ての建築物は、驚くほど大きな木材が梁柱に使用された伝統的な木組みが特徴的な日本建築となっており、高度な建築技術は高い評価を受けています。外壁には、土佐漆喰による造形を見ることもできます。館内では空海と四国遍路文化を紹介する展示を見ることができます。
空海が悟りを開いたとされる室戸岬の地にふさわしい、祈りと巡礼文化を伝える施設となっています。