“空と海”を見つめた洞窟
弘法大師・空海が悟り開いた室戸岬『御厨人窟』神秘と静寂に包まれるひととき
四国高知の東南端、室戸岬に波の浸食で削られた二つの洞窟があります。
御厨人窟(みくろど)と神明窟(しんめいくつ)という二つの洞窟には、真言宗の開祖である高僧、弘法大師・空海が修行し、悟りを開いたという伝説が残っています。
海を背にして右側の洞窟が空海が修行をされていたとされる神明窟(しんめいくつ)
左側が生活をされていたとされる御厨人窟(みくろど)で、どちらも奥行きは短い洞窟ですが、入ってみるとヒンヤリとして神聖清浄な雰囲気が漂います。
この洞窟は、空海が修行した1200年前は今よりも5m程低く、波打ち際に接近していて、若き修行僧は視界いっぱいに広がる青い空と海から「空海」の法名を得たとされています。(諸説あります)
大陸と海洋のプレートがぶつかり合う室戸岬は今も少しづつ隆起しつづけているのです。
空海が残した著書「三教指帰」には、弘法大師・空海は二十歳を過ぎる頃、「虚空蔵菩薩の真言」百万回を百日間にわたって唱える修行のため、虚空蔵菩薩の化身とされる明星(金星)がよく見える険しい山中や海岸を求め、四国の最果ての地、室戸岬を修行の場とした。
そして「洞窟の中で広がる海と空に対峙し、一心不乱に真言を唱えていると、その声がこだまとなって鳴り響き、虚空蔵菩薩の化身とされる夜明けの明星が私の体内に飛び込んできた」とあり、明星が口に飛び込み空海は悟りを開いたといわれています。
他にも室戸には空海が残した数々の伝説が点在しており、お遍路の札所となる最御崎寺・津照寺・金剛頂寺と、空海が開基したお寺を中心として、空海の足跡を辿ってみるのもお勧めです。
御厨人窟
「御厨人窟」と室戸のつながり
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弘法大師 空海
1200年ほど前の平安時代、香川県善通寺市に誕生した空海は、真言宗の開祖として知られています。 空海は室戸岬の荒磯乱礁のほとりで苦行修行を積みながら、悟りを開きました。空海にとって、室戸岬の大自然は、第二の誕生の地と言い得る霊地となりました。遣唐使として入唐した空海は真言密教に没頭し、そして再び室戸の地を訪ね、室戸の地に三山「最御崎寺」「津照寺」「金剛頂寺」を開きました。 -
室戸岬
室戸岬は高知県東南端の室戸市の突き出た頂点にあります。遮るもののない視界いっぱいの太平洋の眺めは圧巻で、その美しさから「日本の渚・百選」に選定されています。 室戸の地では、大陸と海洋のプレートがぶつかり合い地面を隆起させて日本を生んだ地球の活動、断層を直接見ることができ、室戸市全域が、自然・文化遺産と関連した地質遺産を活用し持続可能な社会の実現を目指すユネスコ世界ジオパークに認定されています。国際機関であるユネスコの世界ジオパークは日本には10地域しかありません。 海と陸が出会い新しい大地が誕生する最前線である、室戸ユネスコ世界ジオパークの南国情緒あふれる海岸線はアコウの木やウバメガシなどの亜熱帯性気候樹林や海岸植物が群生し、保全すべき優れた風景地として国から「室戸阿南海岸国定公園」にも指定されています。 室戸岬が歴史にあらわれるのは平安時代。かの弘法大師空海が四国の最果ての地、室戸岬を修行の場としました。明星が口に飛び込み悟りを開いたという洞窟(御厨人窟・みくろど)があり、この洞窟から見える空と海から「空海」の法名を得たとされています。(諸説あります)そして弘法大師は後に室戸岬で四国八十八ヶ所参りの第24番札所となる、室戸山明星院最御崎寺を開基します。最御崎寺で弘法大師が斧の秘技をもって製作したといわれる本尊「虚空蔵大菩薩」は秘仏となっています。 その他にも「目洗いの池」や「食わず芋」など、弘法大師はこの所縁の地で数々の伝説を残しました。室戸岬の遊歩道を歩きながら、その足跡を辿ってみるのもお勧めです。 なぜ弘法大師空海がこの室戸岬を修行の場として選んだのか? 若き日の空海を悟りへと導き、人生観を変えた絶景・室戸岬。ぜひ訪れてみてください! 訪れる際には、ぜひ地元の方の有志による「室戸市観光ガイドの会」のツアーに参加していただきたいです。地元ガイドさんとのコミュニケーションを楽しみながら、ブラタ〇リ感覚で室戸の魅力に迫ることができます。 -
岬の先っぽ 大地誕生の最前線を歩く
四国の突端の室戸市は、市域全体が世界ジオパークに認定されています。ツアーでは突端に位置する室戸岬の壮大な地形、空海にまつわる伝説とパワースポットを個性豊かな地元ガイドさんと一緒に、ブラタモリ的に楽しみます。地元ガイドさんとお話しをしながら、地球が動いている証拠を見つけてみませんか?地元ガイドさんから室戸のお楽しみポットを教えてもらって室戸を楽しんでください。