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母親のピンチに岩をねじった?
嵐から母を隠す空海さんの孝心
あれはまだ平安時代のこと、空海さんがまだ青年期に室戸岬山頂で修行していた頃です。
息子を案じた母・玉依御前が、讃岐国多度郡屛風ヶ浦(現在の香川県善通寺)から室戸を訪ねてきました。
ところが修行場へ向かう途中、激しい嵐に見舞われ、玉依御前は倒れてしまいます。
その危機を察知した空海さんは、法力をもって岩をねじ曲げ洞窟を生み出し、母をそこへ避難させたうえで、呪文を唱えて嵐を鎮めたと伝えられています。
この伝説は、空海さんが自然の摂理すらも超越する霊力を備えた存在であることを示すと同時に、母を守ろうとする深い孝心を描いた逸話でもあります。
空海さんが捻じったとされるこの岩は、最御崎寺へ向かう遍路道の途中で今も見ることができます。