捕鯨の町「室戸」ならではの伝承を感じる本祭。郷愁誘う宵宮。
宵宮では、おならびが地区の各戸をまわり、古式捕鯨時代の往時を偲ぶ「鯨舟唄」を歌います。夜になっても提灯を照らしながら歌う様は、どこか懐かしく郷愁を誘う風景です。
本祭では、神輿や花台等の浜宮への古式行列が賑やかであり、祭り気分を盛り上げてくれます。(室戸市観光協会HPより)
浮津八王子宮秋祭
「浮津八王子宮秋祭」と室戸のつながり
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神祭(じんさい)
いよいよ秋の神祭(じんさい)の季節がやってきました。 室戸が一番盛り上がるといっても過言ではないのではないのでしょうか。 室戸の基幹産業である農業や漁業の豊作豊漁を祈願し、地域各々の文化歴史が色濃く反映されていて、国や高知県の無形文化財に選定されている地域もあります、起源を遡ることが難しいほどの長い歴史が育んだ、室戸独自の「神祭」をぜひ観に来ませんか? -
鯨館(室戸捕鯨の歴史)
命を懸けた古式捕鯨の迫力! 『鯨館』で学ぶ、クジラとともに生きた町・室戸300年の共生、畏敬と感謝の記録 四国高知の南東端、室戸岬から海岸沿い西に約10㎞。 道の駅キラメッセ室戸の鯨館はクジラとともに生きた室戸の歴史を知るうえで重要な施設です。 入館するとすぐにデジタルアートシアターがあり、クジラとの壮絶な戦い、伝統の「古式捕鯨」を迫力あるアニメーションで見ることが出来ます。 網に追い込むため、クジラに立ち向かっていく20隻ほどの小さな船や、刀を持って飛び掛かる裸の男たち、解体されていく大きなクジラの様子が臨場感を持って伝わってきます。 1F中央には実際にクジラを追いかけていた勢子船を再現したものがあり、実際に捕鯨に使われていた道具や命がけで戦った男たちの資料が展示されていて、先ほど見たアニメーションの理解を深めます。 2Fにはクジラの生態展示があり、クジラの進化や種類などを学ぶことができ、ワークショップでは学習映像を見ることで1Fでの体験を確認でき、クイズに挑戦もできます。 室戸の沖は回遊するクジラの通り道で江戸時代初期から300年に渡り、日本有数の捕鯨の町としてクジラとともに歩んできました。 クジラ肉はもちろんのこと油やヒゲ、骨に至るまで活用され大切に使われたクジラへの畏敬と感謝を後世に伝える鯨館をぜひ訪れてみてください。 令和7年現在 営業時間・9:00~17:00 休館日・月曜日(祝日の場合は翌日) 入館料・大人500円/小人100円 -
土佐室戸鯨舟競漕大会
海とともに、鯨とともに生きた300年の捕鯨文化 〜室戸の鯨舟が紡ぐ伝統の祭典 土佐室戸鯨舟競漕大会〜 四国・高知県の南東端、室戸岬沖。その大海原は回遊するクジラが通る路。 室戸の人々は江戸時代初期から300年にわたり、鯨とともに暮らし、闘い、そして敬い続けてきました。 その記憶と誇りを今に伝えるために、古式捕鯨の象徴「勢子舟(せこぶね)」を復元し、「海の駅とろむ」を舞台に土佐室戸鯨舟競漕大会が繰り広げられます。 大海原に響く掛け声、櫂が水を割る音、そして舟歌の調べ。それは先人たちの魂が蘇る瞬間です。 初回開催は1991年(平成3年)。 以降、夏の風物詩として親しまれ、多くの市民と来訪者を迎えてきました。 一時期にはコロナ禍と後継者不足により中断されましたが、「道の駅キラメッセ室戸鯨館」名誉館長・C.W.ニコル氏の三回忌追悼行事を契機に、有志の熱意によって再び海に漕ぎ出すこととなりました。 当初は一度限りと言われながらも、その反響は大きく、地域の期待と応援が開催の継続を後押しし、今もなお、復元された勢子舟のレースは室戸の夏を彩っています。 レースに登場する勢子舟は、地元の職人たちが高い精度で設計・製作した傑作。室戸市内の神社に保存されていた模型をもとに、一つひとつの工程に魂が込められています。 鯨油に溶かした顔料で彩られた船体には、極彩色の模様が踊り、白地の輝きのなかに咲く割菊の赤が、青い海に映えます。 活躍するのは、海に漕ぎ出すのは大人たちだけではありません。 地元の小学生たちは、代々受け継がれてきた「舟歌(ふなうた)」を歌い上げます。 その節回しに込められているのは、鯨への供養、海への感謝、そして仲間との絆。少年たちの声が風に乗って響くとき、祭りの空気が一気に熱を帯びるのです。 会場には、室戸の食文化を体感できる屋台がずらりと並びます。なかでも注目は、クジラ肉料理の試食と販売。かつての捕鯨の町だからこそ味わえる、今も地元で愛される滋味あふれる逸品です。 この大会は、ただのレースではありません。 海とともに、鯨とともに生きた記憶を呼び起こす祭典であり、未来へ託す「伝統の灯」。復元された勢子舟の雄姿、子どもたちの声に乗る舟歌、若き漕ぎ手の汗と笑顔。 そのすべてに、地域が紡ぎ続けてきた伝統文化の継承への熱意が込められています。 開催日程や参加希望については、室戸市公式ホームページをご参照ください。 室戸とクジラの歩みを深く知ることができる「道の駅キラメッセ室戸鯨館」へのお立ち寄りもおすすめです。 -
鯨舟の唄
1625年に室戸で始まった土佐の捕鯨は、やがて津呂組、浮津組の2つの経営体によって担われるようになります。捕鯨業は村の盛衰に関わるもので、漁夫たちの意気を鼓舞するために様々な祝宴が催されました。西町の保存会によって唄い継がれている唄は、浮津組の宴会で唄われていたもので、17世紀後半、網取式の捕鯨法を伝授した紀州太地の漁師たちによって伝えたれたとされます。(室戸市YouTube:Muroto Voice より)