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白い漆喰を雨風から守る美しき瓦 〜吉良川町の『水切り瓦』が映す、伝統建築の機能美〜
国の重要伝統的建造物群保存地区、室戸市吉良川町の旧街道沿いには「土佐漆喰」が白く輝く豪華な町並み「下町地区」があります。
太平洋に突き出た室戸は台風対策のために2階の天井を意識的に低くしていて家全体の高さも低く見えます。
そして側面には横から降る強い風雨から家屋を守る「水切り瓦」があります。
小さく反った瓦のひさしが、壁面に伝う雨水を素早く地面に落とすため、「土佐漆喰」の劣化を食い止めます。機能性だけでなくデザイン性にも優れ、吉良川の町並みの豪華絢爛さを際立出せています。
吉良川町に歴史的建造物が多く建てられたのは明治から昭和初期にかけて。室戸に多く自生するウバメガシから特産品の土佐備長炭を生産し、京阪神地区へ積み出す港として商家や廻船問屋が軒を連ね、栄華を誇りました。