室戸市は、地球のダイナミズムな変動を実感できるエリアとして、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。全世界213箇所の中でも、市の全域が認定されている、めずらしいなエリアです。 地球時間の旅展は、日本列島のジオパークを巡り、このたび四国では初めて室戸市で開催されます。日々の暮らしの中から、変動する大地と人のつながりを知り、歴史を感じて、未来を描きましょう!
展示構成
1”今”を形作る“過去”の物語
2目の前の景色を作るいろいろな石たち
3"日本"を形作った地球の物語"
4”未来”を作る “今”の私たち
【巡回展期間】
→2024.10/1~2024.11/29
ぜひ室戸世界ジオパークセンターにお越しください!
地球時間の旅
「地球時間の旅」と室戸のつながり
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室戸世界ジオパークセンター
室戸世界ジオパークセンターは、ジオパークの楽しみ方を知り、実際のフィールドを巡り、地元の人たちの話を聞き、人と大地の共生について考えるきっかけづくりの拠点です。 室戸ジオパークをどう楽しむかヒントや情報を入手したら、外に飛び出して室戸の自然や食、文化を体感してみよう。(室戸世界ジオパークセンターHPより) -
室戸岬
室戸岬は高知県東南端の室戸市の突き出た頂点にあります。遮るもののない視界いっぱいの太平洋の眺めは圧巻で、その美しさから「日本の渚・百選」に選定されています。 室戸の地では、大陸と海洋のプレートがぶつかり合い地面を隆起させて日本を生んだ地球の活動、断層を直接見ることができ、室戸市全域が、自然・文化遺産と関連した地質遺産を活用し持続可能な社会の実現を目指すユネスコ世界ジオパークに認定されています。国際機関であるユネスコの世界ジオパークは日本には10地域しかありません。 海と陸が出会い新しい大地が誕生する最前線である、室戸ユネスコ世界ジオパークの南国情緒あふれる海岸線はアコウの木やウバメガシなどの亜熱帯性気候樹林や海岸植物が群生し、保全すべき優れた風景地として国から「室戸阿南海岸国定公園」にも指定されています。 室戸岬が歴史にあらわれるのは平安時代。かの弘法大師空海が四国の最果ての地、室戸岬を修行の場としました。明星が口に飛び込み悟りを開いたという洞窟(御厨人窟・みくろど)があり、この洞窟から見える空と海から「空海」の法名を得たとされています。(諸説あります)そして弘法大師は後に室戸岬で四国八十八ヶ所参りの第24番札所となる、室戸山明星院最御崎寺を開基します。最御崎寺で弘法大師が斧の秘技をもって製作したといわれる本尊「虚空蔵大菩薩」は秘仏となっています。 その他にも「目洗いの池」や「食わず芋」など、弘法大師はこの所縁の地で数々の伝説を残しました。室戸岬の遊歩道を歩きながら、その足跡を辿ってみるのもお勧めです。 なぜ弘法大師空海がこの室戸岬を修行の場として選んだのか? 若き日の空海を悟りへと導き、人生観を変えた絶景・室戸岬。ぜひ訪れてみてください! 訪れる際には、ぜひ地元の方の有志による「室戸市観光ガイドの会」のツアーに参加していただきたいです。地元ガイドさんとのコミュニケーションを楽しみながら、ブラタ〇リ感覚で室戸の魅力に迫ることができます。 -
海岸線
室戸岬を中心に東西約50kmの海岸線を有しています。ダイナミックな奇岩の乱立、どこまでも広がる水平線、突き抜ける空、青色の美しいコントラストが心を癒してくれます。そして太陽。朝日は東海岸の水平線から上り、西海岸の水平線に夕日が沈みます。室戸に来ると1日の始まりと終わりを、水平線に感じます。 -
タービタイト層
タービダイト(乱泥流堆積物)とは、砂や泥が海水と混ざった流れによって、海底に降り積もってできたシマシマの地層のこと。水平に堆積した後、回転して立ち上がったので、縦向きの縞模様になっているのです。 -
だるま朝日
室戸の東海岸から朝日が上ります。海水よりも空気が冷たい冬に見られることが多いです。 -
だるま夕陽
だるま朝日・だるま夕日は、秋分の日ごろから春分の日ごろにかけて海面の海水温と大気の温度差により水蒸気に光が屈折して太陽がだるまのように見える現象です。 室戸市は太平洋に突き出た地形から、東にだるま朝日・西にだるま夕日を臨むことができる珍しい場所です。(室戸市観光協会) -
満天の星空
満天の星空が広がります。 室戸の自然に癒されてください。電車や高速道路はありませんが、大自然があります。 -
西山台地
平らな段丘面上では台地農業が盛んに行われていています。あま~いサツマイモ、大根、ナス、ビワ、柑橘類はジオパークの宝。 -
大敷網:室戸の魚
室戸の東海岸は、陸から2~3km程度で水深約1000mの深海が存在します。この地形的特徴を活かすために、昔から工夫してきた大敷網は室戸の伝統漁法です。網目を大きくして、小さい魚は網目から逃すという、持続可能性に配慮した工夫もされています。 -
海洋深層水
1989年、室戸市に日本で初めての陸上型の深層水取水施設が開設されました。海洋深層水とは、深200~300メートル以深を流れる海水のこと。深海では、太陽光が届かないので、海中での光合成で消費される栄養塩(窒素、リン、ケイ素、硝酸など)が消費されずに多く残っています。優れたミネラルバランス、水温が低温で安定し、さまざまな分野での可能性を秘めています。また、表層水と比べて生活排水の影響が無いため、清浄性が高いという特徴があります。室戸市では、自然の恵みである海洋深層水を、飲料水、製塩、陸上養殖などに活用しています。 -
土佐備長炭
日本三大備長炭に数えられる「土佐備長炭」はウバメガシ(姥目樫)を原料とした白炭と呼ばれる最高品質な木炭です。 土佐備長炭の魅力は美味しくお肉が焼ける「強い火力」と「持続時間」そして「灰が飛ばないこと」です。 室戸市で備長炭が作られるようになったのは明治時代のことでした。 四国の突端、三方を太平洋で囲まれた室戸市は地域の大部分が森で覆われているため木材は豊富にありましたが、まだ炭焼きの技術は発展していませんでした。 そんな中、紀州の炭焼き職人が四国遍路で室戸を訪れ、明治40年に備長炭の製法を伝授したことはまさに弘法大師のお導きでした。(弘法大師は3つのお寺を室戸で建立し、その成り立ちに深く関わります。四国八十八ヶ所参りは弘法大師所縁のお寺を巡ります。) そして時代を経て室戸市の主要産業になった土佐備長炭は、全国に広く流通し日本で有数の生産量を誇るようになりました。 近年は海外からの白炭輸入量が減少し、市場では品薄状態が続いているため、備長炭は希少で高価なものとなっています。 そんな貴重な土佐備長炭は主に都市部の料理店で愛用されますが、ご家庭で使うときはバーベキューグリルや七輪などで肉を焼くのが最高です! 遠赤外線でふっくら焼き上がり、余分な油が赤く燃えた土佐備長炭の上に落ちるとジュっと煙が立ち、肉を口に運ぶと仄かに備長炭のよい香りを感じます。 土佐備長炭を製造する「窯元炭遊」の川田さんによると 火力が半日程度持続する土佐備長炭は、長時間かかる煮物でも効果を発揮するそう。途中で使い終わったときは灰を被せて消火すればまた使えます。注意したいのは、土佐備長炭は長持ちしますが、鋼のように硬く火が付きにくいので、肉を焼くのは炭にじっくり火を入れてから。焼き始めが早いとお腹がいっぱいになる頃、備長炭が絶好調になることも… -
日南(ひなた)
中山間部にある、農業集落。水稲、柚子に加え、幻の伝統野菜ぼたなす、田芋(里芋)、シキミ、らっきょう、落花生、といった多種多様な、美味しい農作物を生産しています。 -
神祭(じんさい)
いよいよ秋の神祭(じんさい)の季節がやってきました。 室戸が一番盛り上がるといっても過言ではないのではないのでしょうか。 室戸の基幹産業である農業や漁業の豊作豊漁を祈願し、地域各々の文化歴史が色濃く反映されていて、国や高知県の無形文化財に選定されている地域もあります、起源を遡ることが難しいほどの長い歴史が育んだ、室戸独自の「神祭」をぜひ観に来ませんか? -
マグロ漁のまち室戸
室戸では、江戸時代からマグロ漁が行われ、大正から昭和にかけて、日本屈指のマグロ漁の基地として栄えました。港の周辺には、居酒屋や料亭などが立ち並び、船が港に帰ると漁師達でとても賑わいました。 当時、室戸には多くの漁師が集まり、マグロを追って日本近海、ニューヨーク沖、アイルランド沖など世界中の漁場を開拓してきました。また、室戸で培った高い漁業技術は国内はもとより、世界中の漁港に伝わっていきました。現在、室戸ではマグロ漁船の数は少なくなりましたが、伝統の近海はえ縄漁、遠洋はえ縄漁が行われています。マグロ漁のまち、室戸の人達はマグロが大好き、伝統は食文化にも承継されて、今も楽しまれています。