海洋深層水と豊かな自然の恵みが育む、室戸の魚 “なんちゃあない”という町にこそ、本当に美味しい味がある。
「室戸はなんちゃあない(なんにもない)」
それが祖母の口癖でした。でも、そんな祖母が元気だった頃、都会に遊びに来て魚を食べると、決まって「うもうない(おいしくない)」と、ぽつりと漏らしていました。
都会には、多彩な飲食店がひしめき、見たことのない食材も並びます。
けれど祖母にとっては、そんな華やかな食の世界よりも、“なんちゃあない”室戸の魚こそが、なにより美味しく、心の底から愛した味だったのです。
室戸の人は「なんちゃあない」と皆さん仰いますが、室戸には「いいもの・おいしいもの」が沢山あると私は思います。「なんちゃあない」っていうのは、「話題性」のあるものがないっていうことなんでしょうね。
そして室戸の人はみんな案外グルメだと思っています。いわゆる“室戸あるある”ですが、みんな地元の食材が大好きなんです。
進学や就職で室戸を離れる人々が、決まってまず「室戸の食が恋しい」と口にするほど、室戸の味は根強い郷愁となって人々に染みついています。
実際、室戸の漁港には、高品質で本当に美味しい魚が次々と水揚げされています。
その理由は、室戸特有の地形と、海洋深層水の恩恵にあります。
海洋深層水とは、太陽光の届かない深海にある海水のこと。
深海には太陽光が届かないため、光合成が起こらず蓄積された窒素やリンなどの栄養がたっぷり詰まっていて、それが室戸の東海岸沿いの海で湧き上がるため、海には常にミネラル豊富な海水が満ちています。
この栄養たっぷりの海水で育った良質なプランクトンを基盤に、室戸の海には豊かな生態系が築かれているのです。
その結果、室戸の魚は自然に身が締まり、国の海洋深層水研究の最適地として選ばれた室戸ならではの旨みが凝縮されていきます。
とくに春先、室戸の沿岸近くを通過するブリは、たっぷりと栄養を蓄え、「室戸春ぶり」として親しまれています。これはもう季節の風物詩ですね。
もちろん、それだけではありません。
下段の「室戸のつながり」でも一部触れていますが、室戸では一年を通して多彩な魚が獲れ、大敷網(定置網)だけで年間約150種が取引されるほどの豊かさです。
海洋深層水という、室戸史上最大の自然の恵みが育んだこの豊かな海。
それは、遠い昔から室戸に寄り添い、今日の食文化をかたちづくってきたのです。
「なんちゃあない」と言いながら、「いいもの」が沢山あるそんな室戸をつたえていきたい、私も頑張って紹介して、みんなに教えたいです。
室戸の美味しい魚
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「室戸の美味しい魚」と室戸のつながり
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ハガツオ
ハガツオは市場に出回りにくい希少な魚で、旬の美味しさは格別!地元の人々がその季節を心待ちにし、藁焼きで楽しむ味わいは室戸でしか出会えない贅沢。深海から湧くミネラル豊富な海水が、この特別な魚を育んでいます。 ハガツオ(キツネガツオ)は、サバ科ハガツオ属の魚で、大敷網や夜の海に灯りを焚いて魚を寄せる「夜炊き漁」で漁獲されます。 本カツオも“足が早い”ことで知られていますが、ハガツオはそれ以上。鮮度の劣化がとても早いため、産地で食べるのが一番とされています。陸路での輸送は関西までが限界では、という声もあるほど。関東の高級店には空輸されることもあります。 ハガツオの魅力は、なんといっても「身の美味しさ」。1年中楽しめる魚ですが、最も美味しいのは冬から初春にかけて。旬は脂の美味しさが際立ちます。ハガツオは脂がのるにつれて、身の色が淡いピンク色に変化していきます。室戸では「何月に食べたハガツオが一番うまかった」と語りながら、つぎに訪れる旬を期待している人も沢山います。 脂がのった旬の時期には室戸の伝統調理「藁焼き」が真価を発揮します。私は2月に室津港の「港の上」にある飲食店で、何気なくメニューから「地魚のたたき」を注文しました。たまたまその日の地魚が「ハガツオ」だったのです。その美味しさは、ズバ抜けていました。これはもう文章では伝えきれません。室戸に来て、実際に食べてもらうしかありません。 最近は漁獲量が減っていて、水揚げされた日でも飲食店で出会えるかは運次第。メニューに載っていなくても、お店の人に聞いてみてください。きっと「ハガツオ」の美味しさを語ってくれるはずです。 室戸近海は、黒潮の流れ、急深な海底地形、海洋深層水の湧昇によるミネラル豊富な海域など、様々な好条件が揃う豊かな生態系がある特別な漁場です。だから都市部では味わうことのできない“特別な旬の魚”と出会うことができます。 私たちが伝えたいのは、地元の人たちが日々の暮らしの中で大切にしている、でも表に出てこない価値です。それは、自然の恵みを生活に取り込む営みであり、旬を楽しむ素朴な喜び。大量生産や安定供給には向かないけれど、少量多品種だからこそ生まれる豊かさがあります。鮮度が落ちる前に味わえる、地産地消の贅沢。 そんな“暮らしの中の価値”を、都会に暮らす人にも知ってほしいし、感じてほしいと思っています。 -
室戸春ぶり
室戸の海は、春にブリが訪れます。 ブリは産卵を控えて太平洋を南下する途中、豊富な餌を求めて室戸の東海岸を訪れます。 豊かな生態系の海域で、良質な餌を食べたブリは、栄養を蓄え「室戸春ぶり」として、人々に愛されています。 脂は豊潤でサラリ、旨味抜群。 田舎マップ管理人のおすすめは、お刺身だけではなく、加熱したお料理です。熱が入ると身にきめ細やかに入る脂が溶け出し、身がホロホロと口の中にほどけ、春の幸せが広がります。 鍋、照り焼き、藁焼き、しゃぶしゃぶ。一口一口、脂と旨味が口の中いっぱいに広がって、やみつきになります。 ブリの脂に「くどい」印象をお持ちの、あなた! ブリは冬の「日本海」に限ると思ってる、あなたも! 春が旬の室戸のブリを食べて、新しい発見をご自身の味覚で感じてください。 その美味しさには根拠があります。 実は、室戸の東海岸には、世界的にも稀な自然の恵みがあるんです。 深海には太陽光が届かないので、海洋深層水は光合成によってミネラルを消費されることなく、豊富に蓄えたまま、世界の海をめぐり、室戸の海に湧出しているのです。 この海域には、鯨も餌をもとめてやってきます、この豊かな海の生態系が水産資源の美味しい味の背景にあるんです。 詳しくは、「海洋深層水」をご覧ください。 -
マンボウ
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モンズマ
胸ビレに星の紋が多いほど脂がのる室戸の幻の魚「モンズマ」は、“全身トロ”とも称される贅沢な味わい。海洋深層水が育む豊かな海の恵みを、地元の人々は家庭の食卓で楽しんでいます。自然と共に暮らす室戸では、都会では得られないスローライフの魅力と食文化が息づいています。 「モンズマ」(ヤイト)は、サバ科スマ属の魚です。 胸ビレの付け根に、星のような模様(紋)が3〜6個ほど並んでいるのが特徴で、この紋が多いほど脂がのっている証とされています。この模様が名前の由来となり、室戸では「モンズマ」と呼ばれています。 星の数が多いほど脂がのっている証拠。本カツオは皮目に脂がのるのに対し、紋スマは身全体に脂がまんべんなくのってくるのが特徴です。刺身にすると包丁に脂がびっしりとつくほど。大げさかもしれませんが、私の印象では「全身がトロ」と言っても過言ではありません。目利きのポイントとして、地元の漁師さんや料理人さんの間では、「顔が小さくて体が太い“小顔ちゃん”が一番」と言われ、脂のりも良いとされています。 室戸近海は、黒潮の流れ、急深な海底地形、海洋深層水の湧昇によるミネラル豊富な海域など、様々な好条件が揃う豊かな生態系がある特別な漁場です。だから都市部では味わうことのできない“特別な旬の魚”と出会うことができます。 私たちが伝えたいのは、地元の人たちが日々の暮らしの中で大切にしているけれど、都会にはなかなか届かない“価値”です。それは、自然の恵みを生活に取り込む営みであり、旬を楽しむ素朴な喜び。大量生産や安定供給には向かないけれど、少量多品種だからこそ生まれる豊かさがあります。鮮度が落ちる前に味わえる、地産地消の贅沢。 そんな“暮らしの中の価値”を、都会に暮らす人にも知ってほしいし、感じてほしいと思っています。 -
金目鯛
キンメダイは深海に生息している魚で、漁場が遠いことがほとんどです。しかし室戸は急峻な海底地形となっており、近くの漁場でも水深が深くなっていることから、近場でキンメダイが漁獲されます。こうした複雑な海底地形は世界ジオパークに認定されるなど世界的にも珍しく、まさに「土佐沖どれキンメダイ」は、世界ジオパークの恵みを受けた貴重な魚だと言えるでしょう。深海魚で常に冷たい海水域に生息していることから、差異はあれどほぼ周年で脂がのっていますが、特に夏場の産卵期前のキンメダイは、魚体も大きくひときわ脂がのった個体になります。(プライドフィッシュHPより) -
キハダマグロ
尾びれや背びれが黄色いので、キハダ(黄肌)マグロです。マグロ漁の町、室戸では、江戸時代からマグロ漁が行われてきました。 キハダマグロの旬は夏から秋頃。産地室戸ならでは、朝に漁獲して、お昼には採れたてを食べれます。大トロのような部位はありませんが、旬にはさっぱりとした旨味と、赤身にきめ細やかな脂が入っていて、とっても美味しいんですよ。 -
フエダイ
室戸の初夏の高級食材です。生の身質はしっとりとなめらかで、旨みが濃く、透明感があり、刺身にもってこいです。煮付けでは、ふっくら繊細でありながら濃い旨味、頭部まわりのプルプルのゼラチン質にも旨味がたっぷり、たまりません。関東地方では馴染みが少ないと思いますが、産地室戸で見かけらたら食べてみましょう。きっとこの魚のファンになると思いますよ! -
シロカジキ
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イサキ
初夏に室戸に来たら、旬の芳醇なイサキをおすすめします。刺身、たたき、煮付け、塩焼き。旨味に富む白身魚、白子もどうぞ。 -
佐喜浜漁港
佐喜浜の漁港では、高品質で美味しい魚が水揚げされています。この理由は科学的に解明されていて、海水自体の富栄養性によるものです。海底の形状が特殊で漁港から3kmほどで水深1000mを超える深海が存在します。深層の海水には太陽光が届かないため、表層とは異なりミネラルが消費されずに蓄積されます。室戸ではその深層の水(海洋深層水)が、海底の特殊な地形によって、表層近くまで上昇(湧昇流)してくるのです。そのため海域は、常にミネラルを豊富に含んだ海水で満ちた状態なのです。そこでは良質なプランクトンが発生し、豊かな生態系が生まれているのです。 -
三津漁港
三津の漁港では、高品質な美味しい魚が水揚げされています。この理由は科学的に解明されていて、海水自体の富栄養性によるものです。海底の形状が特殊で漁港から3kmほどで水深1000mを超える深海が存在します。深層の海水には太陽光が届かないため、表層とは異なりミネラルが消費されずに蓄積されます。室戸ではその深層の水(海洋深層水)が、海底の特殊な地形によって、表層近くまで上昇(湧昇流)してくるのです。そのため海域は、常にミネラルを豊富に含んだ海水で満ちた状態なのです。そこでは良質なプランクトンが発生し、豊かな生態系が生まれているのです。 -
椎名漁港
椎名漁港では、高品質な魚が水揚げされます。この理由は科学的に解明されていて、海水の富栄養性によるものです。海底の形状が特殊で漁港から3kmほどで水深1000mを超える深海が存在します。深層の海水には太陽光が届かないため、表層とは異なり光合成によってミネラルが消費されずに蓄積されます。室戸ではその深層の水(海洋深層水)が、海底の特殊な地形によって、表層近くまで上昇(湧昇流)してくるのです。そのため海域は、常にミネラルを豊富に含んだ海水で満ちた状態なのです。そこでは良質なプランクトンが発生し、豊かな生態系が生まれているのです。 -
高岡漁港
高岡の漁港では、高品質な美味しい魚が水揚げされています。この理由は科学的に解明されていて、海水自体の富栄養性によるものです。海底の形状が特殊で漁港から3kmほどで水深1000mを超える深海が存在します。深層の海水には太陽光が届かないため、表層とは異なりミネラルが消費されずに蓄積されます。室戸ではその深層の水(海洋深層水)が、海底の特殊な地形によって、表層近くまで上昇(湧昇流)してくるのです。そのため海域は、常にミネラルを豊富に含んだ海水で満ちた状態なのです。そこでは良質なプランクトンが発生し、豊かな生態系が生まれているのです。 -
海洋深層水の神秘
太古の海が育んだ室戸の海洋深層水─命を潤すその力が、いま食・健康・地域再生の未来を変える。 海洋深層水とは、水深200メートル以深に存在し、地球規模で循環する清浄かつ栄養豊かな海水のことです。この水は古来より海を豊かなものとし、室戸の生きとし生けるものの命を紡ぎ続けてきました。 室戸の文化文明を発展させ続けてきたこの水の特性には、いまだ解明されていない可能性が多く秘められており、現在もさまざまな分野で研究が進められています。そして今後のさらなる活用にも、大きな期待が寄せられています。 四国・高知県の最南端。太平洋を三方に望む室戸岬の周辺には、日本でも屈指の“急深海域”(岸からいきなり深くなる海)が広がっています。 そのため、室戸は三方に50kmを越える海岸線をもちながらも、海水浴場がないという稀な地域です。 海岸から沖合わずか2〜3kmで、水深は一気に1000mへと達し、まるで海がそのまま断崖になったかのような、さらなる急峻な海底地形が、室戸東海岸には存在します。 この特異な地形が、室戸にさらに深い海洋深層水─“太古の海”を呼び込む力を与えているのです。 室戸岬から東に続く海岸線は、こうした地形的特性が着目され、1985年に科学技術庁(現・文部科学省)のアクアマリン計画により「海洋深層水資源の有効利用技術に関する研究」のモデル海域に指定されました。 室戸海域が研究フィールドに選定されたことを契機に、この海は全国的な関心を集めるようになります。 室戸には大都市近郊に見られるような大河川がないため、人間生活による自然環境汚染の影響が少なく、採水された海水は細菌数も非常に低く、清浄性に優れています。 さらに、窒素・リン・ケイ素などの無機栄養塩を豊富に含み、ミネラルバランスにも優れた高栄養な海水となっています。水温は年間を通じて約9.5℃と安定しており、発酵・成長・癒しなど、多彩な可能性を秘めた“命の水”として注目されています。 1989年には、室戸市に日本初の陸上型取水施設「高知県海洋深層水研究所」が開設され、海洋深層水の採水が本格的に始まりました。この海洋深層水は、室戸にとって“史上最大の自然の恵み”となったのです。 現在も高知県を中心に、官民が一体となって海洋深層水の研究と実用化に取り組んでおり、その活用は食品、農業、養殖、美容など、さまざまな分野に広がりを見せています。 ここでは海洋深層水が室戸でどのように活用されているのかを見ていきます。 下部の「室戸のつながり」の欄で、それぞれの知られざる海洋深層水の魅力に触れてください。 ①室戸の美味しい魚:ミネラル豊富な海洋深層水で満ちる海域が育てた、室戸の水産業 ②ミネラルウォーター:驚くほどピュアで美味しい!健康と災害備蓄を支える高機能さ ③製塩:料理の味が変わる!深海の恵みが生んだ「天然ミネラル塩」威力 ④陸上養殖 ・すじ青のり:「青のりの最高峰」─深層水が育む極上の風味 ・プラチナサツキマス:「幻の魚」室戸から復活─深層水で育てた極上の逸品 ・プライムオイスター:最高峰の「旅する牡蠣」室戸海洋深層水で磨かれた味 ⑤しいたけ栽培:ぷりぷり食感と濃厚旨味の逸品/室戸の極上椎茸 ⑥シレスト室戸:“深層美容”と“健康増進”を叶える癒しの楽園 ⑦深海生物漁:未踏の深海で夢を追う「深海生物漁師」の地方創生への挑戦 こんなにも海洋深層水が活躍するのには、やはり室戸の地形が大きく関係しています。 深海が近い室戸では、陸上に設けられた施設から取水管を海へと伸ばすことで、近距離から安定して海洋深層水を確保することが可能となっているのです。 この条件を満たす地形は、国内でも極めて稀です。 そもそも海洋深層水は、アラスカ沖などで冷たい海水が沈み込み、数千年の時をかけて地球の海底を巡りながら熟成されたもの。そして、室戸沖に到達した海底1000mのその水は、海底の断崖にぶつかり、勢いよく湧昇。 この海底から海洋深層水を運んできてくれる「湧昇流を生み出す海底断崖地形」こそが室戸海洋深層水の生みの親ともいえる貴重な存在なのです。 この偉大な自然の力を利用し、室戸では水深320〜344m付近から海洋深層水を取水しています。これは深海1000mの効果性の高い深層水を低コストで取得できる大きな利点です。 室戸海洋深層水は、地球規模の海洋循環と室戸岬の特異な地形が生み出した特別な水。 その清浄さと栄養価、冷たさと安定性は、数千年の旅路を経て湧き上がった「地球の記憶を宿した水」だといえるでしょう。 むかしむかし、海洋深層水に海洋深層水という名前が付いていなかった頃から、この「海の恵みの水」は室戸の漁業や文化の繁栄を支えてきました。 古来から魚を育て、人の命を育ててきたこの「水」は、現代の研究、技術によって、より成長と癒しの力を増して、今、室戸から世界へと広がり始めています。 -
カンパチ
旬の室戸ではお刺身の定番です。鮮度が生命の青魚ですから、産地で食べれば違いがわかります。 -
クロシビカマス
別名スミヤキとも呼ばれる真っ黒い魚ですが、知り合いの漁師さんがいうには室戸のうまい魚の一位タイらしいです。もう一つはアコウ鯛だそうです(あくまで個人主観です)。細かい骨があるそうですが、その味は… -
ムツ
鮮度が生命のムツです。産地室戸で旬に食べれば、ムツ好きになります。お魚の味は値段が決めるのではなく、いただく時に保持している個体の品質です。 -
シイラ
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スマガツオ
冬の室戸の食卓に並ぶ“スマカツオ”は、脂のりも旨味も抜群。それでいて手に入りやすく、本カツオより好きという人が多いという評判の魚。ごちそうが日常にあるという贅沢こそ、産地で暮らす人々のリアルな豊かさの一つです。 スマカツオ(ヒラソウダカツオ)は、サバ科ソウダガツオ属の魚です。 他の地域で「スマ」というと別の魚種を指す場合がありますが、室戸ではヒラソウダカツオのことを「スマカツオ」と呼んでいます。「スマカツオ」は地元では大人気で、室戸のご家庭でよく食べられています。室戸では、大敷網漁でスマカツオが漁獲されます、旬は冬。 地元では「カツオよりスマカツオの方が好き」と言う人も多く、しかも、たくさん獲れるため、室戸で暮らす人々にとっては、美味しくて手に入りやすい“日常のごちそう”。都市部で暮らす人々の中には「美味しいものは高い」という固定観念をもつ人も多いと思いますが、それを見事に打ち破ってくれる魚です。 旬の時期に脂がのったスマカツオは、藁焼きにしても絶品。「本カツオよりスマカツオの方がうまい」と語る地元の声も少なくありません。ある人はこう言います。「旬は小さいやつでもうまいよ。室戸のスーパーにも並ぶし、その値段を見てみてよ。まずは買って食べてみて。うまさにビックリするき」 もし冬に室戸を訪れることがあれば、ぜひ飲食店やスーパーで「スマカツオ」を探してみてください。地元の人に「スマカツオありますか?」と尋ねれば、あなたの見る目の高さに驚いてくれるはずです。そして、きっと喜んで室戸自慢の美味しさを語ってくれるでしょう。 室戸近海は、黒潮の流れ、急深な海底地形、海洋深層水の湧昇によるミネラル豊富な海域など、様々な好条件が揃う豊かな生態系がある特別な漁場です。だから都市部では味わうことのできない“特別な旬の魚”と出会うことができます。 私たちが伝えたいのは、地元の人々が日々の暮らしの中で大切にしている、けれど声高に語られることのない価値です。それは、自然の恵みを生活に取り込む営みであり、旬の素朴な楽しみ。大量生産や安定供給には向かないけれど、少量多品種だからこそ生まれる豊かさ。鮮度が落ちる前に味わえる、地産地消の贅沢。そうした“暮らしの中の価値”を、都会に暮らす人々にも知ってほしい。 そして、感じてほしいと願っています。 -
スルメイカ
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マアジ
アジは身近なお魚ですので、皆さんアジのイメージをお持ちだと思います。ぜひ室戸で旬の新鮮な鯵を食べて、違いを感じて下さい。 -
マサバ
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真鯛
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オアカムロ
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赤やがら
独特な外見の高級魚です。家庭料理としては扱いにくく、その味を知らない人が多い。料理店で見かけたら一度は食べてみて。 -
ウルメイワシ
小型青魚ほど鮮度が味に影響します。取れたてのお刺身で産地ならではの品質の違いを感じてください。 -
カワハギ
冬のカワハギといえば肝の旨さ、肝の旨さは鮮度が命、都会のお店では高級魚に化けるカワハギも、新鮮さが当たり前の産地だから食べられる。ふぐのお仲間でもあり、身の食感も素晴らしいです。 -
シットロト踊
300年以上続く伝統行事。県の無形民俗文化財に指定されています。起源は定かではありませんが、揃いの浴衣に彩り豊かな投網笠・独特の舞・リズム・歌詞が古から室戸の漁師さんによって継承されています。旧暦6月10日は漁師さんは漁を休み、豊漁への感謝と魚類への供養込めて、終日踊りぬきます。 -
ハダカイワシ
室戸では馴染み深い、産地ならではの食材です。ウロコが外れやすく、網の中で裸になってしまう、イワシのようでいて深海に住むお魚です。 -
おきゃく文化
おきゃく文化
のこと募集中。- LINE
豊富な美味しい食材・料理、美味い酒、人情あふれる地元の人々、これらが揃っているため、隣近所・知らない人まで巻き込んで『おきゃく』(酒宴のこと)が始まることがよくあります。(室戸市HPより) -
山本かまぼこ店
昭和13年、太平洋に囲まれた漁師町、室戸で創業。魚の旨みをだれよりも知っている漁師が、その味を認めてマグロ遠洋漁業の船に積み込んだ「山本のてんぷら」。冷凍剤や保存料を使用せずに、世界中の漁場まで美味しさを保つ独自の技術と、甘味料などを使わずに追求した素材本来の味、安心へのこだわり。四国のど田舎「室戸」で一つ一つ丁寧に手作りされている「山本のてんぷら」は、ドバイ、シンガポール、ロサンゼルス、ケープタウンなど、世界中で愛されています。 -
地球時間の旅
室戸市は、地球のダイナミズムな変動を実感できるエリアとして、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。全世界213箇所の中でも、市の全域が認定されている、めずらしいエリアです。 地球時間の旅展は、日本列島のジオパークを巡り、このたび四国では初めて室戸市で開催されます。日々の暮らしの中から、変動する大地と人のつながりを知り、歴史を感じて、未来を描きましょう! 展示構成 1”今”を形作る“過去”の物語 2目の前の景色を作るいろいろな石たち 3"日本"を形作った地球の物語" 4”未来”を作る “今”の私たち 【巡回展期間】 →2024.10/1~2024.11/29 ぜひ室戸世界ジオパークセンターにお越しください!